インタビュー 障がい

インタビューFile.5 本人が気持ちよく排泄できるために (脳性まひの児童のケース)

トイレトレーニングを諦めていたNさん親子にDFreeがもたらした変化

子育てをする親なら誰もが経験する、トイレトレーニング。

普段私たちが当たり前のように行っている「トイレで排泄する」という行為ですが、生まれたときからその能力があったわけではありません。膀胱や脳の発達に加え、トイレで排尿することを理解できるようトレーニングを重ねることで、徐々にオムツからトイレでの排泄を身に付けるのです。一般的に子供が「おしっこをしたい」という意思表示をできるようになることが、トイレトレーニングを始める一つの目安と言われています。

しかし、なかには障がいにより意思表示をすることが難しく、なかなかトイレトレーニングに取り組めないお子様もいます。

今回はそうしたお悩みを抱えるNさん親子にDFreeをご利用いただき、そのお話を伺いました。

タイミングが合わないトイレトレーニング

Nさんのお子様こころちゃん(仮称)は、現在小学2年生の女の子。脳性まひによる知的・肢体障がいがあり、普段はオムツを利用しています。

排泄したい、という認識はこころちゃん自身にもあり、DFreeを利用する前から便意を伝えることはできていました。しかし、尿意となると周囲に伝えることができずオムツでする以外のすべがない状態でした。また、座位の保持が難しいこころちゃんは一人でオマルに座ることができないため、Nさんが体を支えながらオマルに座らせることも試みてはみましたが、タイミングが合わず、一度もオマルでの排尿に成功したことはありません。こころちゃんにとって意識的に「おしっこを出す」ということはとても高いハードルでした。

お母様のNさんも、「同程度の障がいを持つ方だとオムツが普通なので、積極的にトイレトレーニングをしなきゃという気持ちはなく、オムツでもしょうがないかなと思っていました」と振り返ります。

Nさんの考えが変わったきっかけは、こころちゃんが1年生のとき、川崎市からの紹介で「排泄予測デバイス」のDFreeを知ったことでした。

「膀胱のたまり具合が見えると、タイミングを合わせてトイレ誘導できるんじゃないかと思いました。自分だけでのトイレトレーニングは成功しませんでしたが、DFreeを使うことで、おしっこという“言葉”と“行為”が結びついてくれれば」と期待を胸にNさんはDFreeの利用モニターに手を上げてくださいました。

DFreeアプリを見つめるNさん
アプリで排尿のリズムを確認することができる

初めてオムツ以外での排尿に成功

初めてDFreeをつけてみたこころちゃんは嫌がることなくすんなりと装着させてくれたので、早速ご自宅でも使っていただくこととなりました。

こころちゃんの最適なトイレのタイミングを知るためにまず数日DFreeを装着しアプリで尿のたまり具合を記録しました。朝こころちゃんの起床後、オムツに排尿をしていた状態でDFreeを付けると、尿の溜まり具合を示すアプリのレベルは3になっていました。そのタイミングでオマルに誘導しても排泄しませんでした。一方で、レベルが8~9まで上がると、オムツに排泄をしてしまいました。どうやらこころちゃんにとって、溜まり具合のレベルが3ではまだ尿意を感じない、8~9だと膀胱がいっぱいになって出てしまう、6~7くらいがオマルに誘導するちょうどよいタイミングのようでした。

DFreeを使用して2日目の朝、オムツを確認すると排泄をしておらず、DFreeのレベルも6まで溜まっていたのでちょうどよいタイミングなのではと、オマルに誘導すると、そこでおしっこをしてくれました。初めてオムツ以外の排尿に成功した瞬間でした。初めてのトイレ体験は気持ちよかったのか、こころちゃんは「あははははは」と声を出して笑ったそうです。

また、それまでは朝にオムツを替えた後も午前中に一度オムツを替えていたそうですが、オマルに出した日の午前中はオムツ交換が必要ありませんでした。「今までオムツに出すときに残尿があったのが、オマルではしっかり全部出せているんだと思います」とNさんはお話しくださいました。

その後もDFreeを装着し、トイレ誘導のタイミングを図りました。夜は6~7まで溜まっていることがなくオマルで排泄することはありませんでしたが、朝は安定して溜まっていたので、朝のオマルでの排尿を定着させていきました。

こころちゃんとDFree
DFreeを嫌がることなく装着するこころちゃん

初めての家族旅行にも活用

今まで初めての場所だと緊張してぐずっていたこころちゃんですが、小学生になり知らない場所でも落ち着けるようになったため、DFreeのモニター中にご家族で初めて金沢旅行に出かけることができました。

子供との旅行の一番の不安はトイレです。

こころちゃんの場合、身長があるため赤ちゃん用のおむつ替えシートは小さ過ぎてしまい、普段外出先では病院などにあるユニバーサルトイレなどを利用されていました。しかし初めての場所や古い観光地ではそういったトイレを探すのも一苦労。だからといって公衆の面前でオムツに排泄したかどうかを確認することもためらわれます。

そこで今回の旅行ではDFreeを使って膀胱のたまり具合を確認しながら、早めにトイレへ連れていくようにしたそうです。

金沢旅行に向かう道中
金沢旅行に向かう道中にて

 

本人にも周囲にも訪れた変化

お母様のNさんは「本人の中におしっこという意識が根付き始めているように思いました。おしっこが出た後に、おなかをたたいたり自分でズボンを持ち上げたりして、出たという意思表示をするようになりました。おしっこが出ていないときにオムツを替えようとすると、すっごく怒るんですよ!」とこころちゃんに訪れた変化を語ります。

DFreeのモニター期間が終了した今でも、朝オムツに排泄していないときはオマルに連れていっています。オマルでおしっこをするとこころちゃんも「あー、すっきりした」という感じで学校に気持ちよく行っているそうです。

学校でも先生がこころちゃんに「出た?」と確認してからオムツを交換してくれるようになりました。

「オムツは外れてはいませんが、変化は明らかにありました。周りも、時間がきたからオムツを替えるというわけではなく、本人の意思を尊重してくれ、排泄能力を伸ばそうとしてくれています」とNさんは仰います。

DFreeを見つめるNさん
DFreeがもたらした変化を語るNさん

介助する側が楽になる

NさんにDFreeを使ったトイレトレーニングについての感想を語っていただきました。

「本人の排泄は本人だけが分かるものなので、リズムが何となく分かっていても、理解しきれていませんでした。そこでDFreeという排尿のリズムが目に見える機械をうまく利用できると、介助する側は楽になります。私もこころちゃんのトイレトレーニングに関しては諦めていましたが、本人にもプライドや誇りがあります。完全にはオムツが外れなかったとしても、使えるものはうまく使って本人の意思を大事にしてあげるほうが良いと今では思っています」

編集後記

DFreeを使うことで、こころちゃん自身にも周囲にも、目に見える形で変化があったということを嬉しく思いました。

トイレトレーニングは親にとっても子供にとっても一つの試練です。子供の気持ちに寄り添いたいと語って下さったNさんとトイレトレーニングを頑張ってくれたこころちゃんにDFreeの可能性を改めて私たちも感じました。

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