インタビュー

インタビューFile.2:「見える」とうまくいく(二分脊椎で尿意を感じないお子さん)

DFreeユーザーにインタビューを行うこの企画。

今回は、二分脊椎症のお子さまを持つMさんです。尿意がわからないお子さまと、どのようにDFreeを使っていただいているか、お話をお伺いしました。

とにかく仲がよさそうなMさんご一家。お話をお伺いしているときも楽しい時間が過ぎていきました。

膀胱に圧をかけてはいけない

Mさんのお子様あつとくん(仮称)は、今、小学2年生。小さいころから二分脊椎症と付き合ってきました。二分脊椎症とは、脊椎の中にあるべき脊髄が脊椎の外に出て損傷や癒着しているために起こるさまざまな神経障害の状態のことで、下肢の運動障害や排泄障害が生じることがあります。

あつとくんも二分脊椎症により、尿意を感じることがなく、また、自ら尿を排出することが難しい症状をもっています。

「お医者さんからは、膀胱に圧がかかってしまって、腎臓に尿が逆流してしまうことにより腎盂腎炎になってしまったり、腎臓に負担がかかって透析をする必要が出たりする可能性があるから、膀胱を手術する方法もあると提案を受けたんです。でも家族で話して、いつか手術をするにしても、少しでも先になるように今できる努力をしよう、という話になりました

そのため、膀胱に圧がかからないように、早めに導尿するようにしている。1日で7回程度、2時間に1度くらいと大まかに時間を決めてトイレに行く。膀胱の中に200ml以上の尿が溜まって膀胱内の圧が高くなるのを防ぐためだ。

「親としては、定期的に連れていきたいんだけど、本人が遊びに熱中しているときは、やはり嫌がったりということはあります。トイレに連れて行っても、あまり出ないと、行かなくてよかったじゃん、と言って不機嫌になることも。」

排尿記録
排尿の時間と量を記録している

DFreeで「見える」ように

とはいえ、トイレに行かない訳にもいかない。そんな中、とある日、Mさんの目に「DFree Personal」が入った。以前、DFree開発のクラウドファンディングの記事をネットニュースで見ていて、ブックマークをしていた。

「DFreeを使うことで、導尿のタイミングが分かるという期待感がありました。」

実際に9月からDFreeの使用を開始したところ、これまで見えなかったものが見えることにより、さまざまな効果を感じている。

「本人がゲーム感覚でDFreeを使うのを楽しんで、尿が溜まったのを見てトイレに行くようになりました。数値が上がっていくのも面白いみたいです。まだ溜まってないときも、そのことがわかるので無理に連れていく必要もなくなったのがよかったです。」

DFree使用
尿が溜まるのが数値化されるのが面白いのかも

2時間に1度くらいはトイレに行くようにしているので、毎回DFreeの通知にもとづいてトイレに行くという訳ではないとのこと。

DFreeを使いながら尿測をしてみた結果、DFreeのメーターで4を超えてくるくらいで膀胱に圧がかかり始まる尿量が溜まることが分かった。今は、通知ラインを4に設定し、通知が来るようにすることで、尿が溜まりすぎないようにしているそう。

「季節によっても、時間帯によっても溜まり方が違います。特に寒くなってくると、思ったより早く溜まっていることがあり、気がついたら溜まりすぎてしまっているということもありました。これまで感覚で捉えていましたが、その傾向をみることができるのはありがたいですね。」

通知ラインは4
通知ラインを4に設定している

DFreeの使い心地

DFreeのセンサー部の装着は最初は少し手間取ってしまったということ。恥骨を探して、その1㎝上くらいに装着する、という方法で着用を続けていただいたところ、慣れてきたため今は手間取らなくなっているそうです。

「私たちにとって、これまで見えなかった膀胱の様子が見えるようになったことはありがたいです。DFreeがあることによって、膀胱の圧が高くなりすぎることないよう、自分たちで管理することができるのが良いです。」

「ただ、通知がなった時に別の部屋にいると気が付かないですね。あとiPadから子どもが離れてしまったときに通信が途絶えてしまうこともあります。」

今のDFreeでは、尿量が通知ラインを超えたときの通知の仕方が、普通のメールと同じような音になっています。また、DFreeとiPadやスマートフォンの間の通信をBluetoothで行っているため、10~15メートル離れると通信が途切れてしまうこともあります。

そのため、Mさん以外のユーザーの方からも通知の音量を大きくできたり、繰り返し通知が来るようにしてほしい、DFree本体と離れた場所にいても、状態が見えるとありがたい、というお声をいただいています。

「本人が外出するときは、壊してしまうのが怖いので、まだ家の中でだけつけていますね。将来的には、本人がさっと確認して自らトイレにさっと行けるような使い方をしてもらいたいなと思っています。まだまだ良いものが開発されていくと思って期待しています(笑)」

装着の様子
本体部分は服に固定しており、家の中では活発に遊びまわっている

これまでいつ導尿をすべきなのか、時間で管理するしかなかったというMさん。しかし、DFreeがあることで、膀胱の中の様子が見え、それによって声掛けができるようになったり、通知があることで溜まりすぎることを防ぐことができています。

膀胱の中の様子が「わかる」ことによって、「わからない」不安が和らぐ。そして、膀胱の様子に合わせて声掛けをしたり、自らトイレに進んで行ったりと、家族のコミュニケーションが少し良くなり、前向きに進んでいるような気がしました。

編集後記

二分脊椎症は分娩10,000件に6名の発症率と言われており、二分脊椎症のある方やその親御さまからお問合せをいただくことも最近増えてきました。

二分脊椎症の場合、症状やお悩みも人それぞれで、全く同じ症状という方は少ないかと思いますが、今回のMさんの事例のように、膀胱の様子を見ることができることで、導尿のタイミングを考えることができるというDFreeの使い方が役に立つ方はいらっしゃるのではないかと感じています。

Bluetoothの接続が切れてしまう問題については、まだ少し先になってしまいそうですが、通知の音の改善については、現在開発チームが取り組んでいます。

Mさん一家や、他のユーザーの皆様が前向きに楽しく過ごしていく一助となれるよう、私たちも開発をまだまだ頑張らねば、と思いを新たにした1日でした。


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カウンセリングをしたからといって、購入する必要はございませんので、ぜひお気軽にご相談ください。

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