インタビュー

インタビューFile11:「自分でできる」を大事にしたい(在宅ケアのケース)

こんにちは、トリプル・ダブリュー・ジャパンのKです。

今日は昨年の12月から義理のお父さまの在宅ケアでDFreeをご利用いただいているSさまに電話でお話を伺いました。

気づいたきっかけは「におい」

最初にお義父さまの病状や普段の生活を教えていただけますか。

私にとっては妻の父にあたります。義父は80代で、過去に脳梗塞をした影響で足が悪いのですが、1人で歩行できて座ることもでき、要介護認定は3です。私たち家族とは同じ敷地の別の建物で生活していて、父の仕事が終わった後から就寝時間までは一緒に過ごしています。

お義父さまの様子が気になりだしたときのことを教えてください。

最初に気になりだしたのは「におい」ですね。義父たちが過ごす部屋に入って「あれ、におうな、漏れてるのかな」と。本人は気にしている感じでもなかったのですが、見た目でも分かるくらいに漏れ出ていることもありました。その当時、義父は仕事の関係で人に会う機会もあったので、大丈夫かなぁと心配になりました。

トイレに行っても、うまく座れないのか、間に合わなくて出てしまうのか、トイレの床を汚すこともありましたね。家族も気にして「トイレは?」というようになったのですが、本人が「まだ出ない」というのに漏れてしまったり、トイレに行ったのに「出なかった」と戻ってくることもありました。

脳梗塞の影響で尿意が曖昧になってしまったのかな、と。あと、においや濡れている感覚にも鈍感になっているようにもみえました。

例えば認知症など、認知機能の低下は疑いませんでしたか?

こちらからの働きかけには適切に返してくれますし、もともとの性格が穏やかなだけで、ぼーっとしているわけではないんです。過去の話もしっかり分かるし、仕事関係の人と会って話もできる。認知機能はしっかりしていると思いました。

なるほど。気になった尿の対策はどのようになさったんですか?

まずは尿漏れパッドを使うようになりました。しかしそのうちパッドだけでは漏れてしまうようになってきたため、次第に紙パンツ(オムツ)を使うようになりました。

DFreeを装着したSさまのお義父さまの様子

事前にタイミングが分かれば、トイレに間に合うかもしれない

DFreeを知ったきっかけは?

テレビで取り上げられているのを見て、これは義父にいいかもと思いました。本人に説明し「こういう機械があったら使ってみます?」と聞いたら「いいよ」ということだったので、ちょうど実施していたクリスマスプレゼントキャンペーンに応募してみました。(※このプレゼント企画は終了しています。)

使い始める前、どのようなことを期待されていましたか

トイレで排泄できようになるといいなと思っていました。既に寝たきりの状態であれば、オムツにしてしまって定期的に替えればいいかと割り切れるのかもしれませんが、義父はまだ元気ですので。

トイレに失敗するのは、動きがゆっくりで間に合わないか、尿意に気づかないかのどちらかではないかと考えていました。だから、この機械で排泄のタイミングが事前に分かればトイレでできるんじゃないかと。

あと、家族が「トイレは?」と聞くんですが、本人の自尊心もありますし、何度も何度も言われるとうんざりしますよね。言う方も嫌ですし。だから、尿が溜まっている客観的なデータが見れるようになるといいなと思いました。

実際に使ってみていかがですか?

100%満足ではないですが、トイレに間に合わない状態は少なくなりましたね。「8まで溜まっているし、そろそろ行けばどうですか」とか、声もかけやすくなりました。

同居の義母、妻、私、妻の弟など声をかける人間もいろいろなので、それぞれが何度も聞いたらうざいでしょう。今は、DFreeのメーターの8を目安に家族が声をかけるようにしています。

お義父さまの反応はいかがですか?

メーターが8で声をかけ始めて、素直に動いてくれるときもありますし、まだ行きたくないと言って結局10くらいまでトイレに行かないこともあります。強制はしたくないので最終的には本人の意思を尊重しています。

そうするとやはり途中で漏れてしまうこともあるんです。ただ、そういうときでもこちらも事前に着替えを用意したりするなど、心構えができるので助かってます。足が悪いので、漏らしてすぐに対処しないと疲れてへたってしまうこともあり、すぐに着替えさせる準備ができるのは助かります。

使う際に不安だったところはありますか?

同居の80代の義母がこの機械を使いこなせるか、ですね。実際には、機械の装着やスマホの作動も含め義母は「ようやらん」と言っているので、私が在宅しているときしか今は使えていません。夜帰宅してから就寝までの時間、週に3回くらいですかね。

満足できていないところや改善を望むところは、どのような点ですか?

テープで貼るのが負担になっています。私は慣れてきてこの辺かなという感覚も分かって来ましたが、義母や妻はつけ方やつける場所がよくわからないと言っています。

あとは、センサーと本体がコードレスだといいですね。義父はYシャツをズボンに入れるタイプの人なんですよ。そうするとズボンの中で紐の上にYシャツがかぶさるから、シャツを一部折ってコードを通す形になるのでおさまり悪くて。ズボンのベルトに本体をつけると、トイレでおろすときに紐に引っ張られて落としてしまう心配もありますし。
そのあたりが改善されるといいですね。

できない部分は機械や家族が助けて、自力排泄する力を大切にしてあげたい

義理のお父さまだとコミュニケーションが難しいこともあると思うのですが、Sさまはご本人の意思を大事に、とても丁寧にケアをされていらっしゃいますね。正直オムツにした方が楽・・・という考えもあると思うのですが、お義父さまのケアについてどのようにお考えですか?

自分だったらどうだろうって思うんですよ。子どものころに漏らして嫌な気持ちになった経験は誰しもあると思うんですが、それは年をとっても同じだろうなぁと。あーやっちゃったって思って、きっとへこみますよね。

私はオムツという言い方も好きではないので紙パンツと呼んでいるんですが、紙パンツの方が楽だと家族も言うけれど、他人に処理されるのも嫌だろうし、やっぱり普通にトイレでしたいんじゃないかなと思うんです。

僕自身も同じ状況になったら、できない部分は助けてもらって、自分でできることは自分でやりたいです。間に合わないならその部分は機械に頼って家族が助けてあげて、せっかく自力排尿できるんだからそういう部分を大事にしてあげたいなと。そういう気持ちで、他の家族にも話をしてますね。

素晴らしいお考えですね。大変勉強になるお話をどうもありがとうございました

編集後記

在宅ケアにおけるDFreeのご利用は、ご家族などケアする方の「トイレでさせてあげたい」「オムツ以外でさせたい」といったお気持ちと、ご本人の「トイレでしたい」「オムツ以外でしたい」というお気持ちの両方が必要だと感じます。どちらかが欠けてもうまくいかないように思います。

また、DFreeをつけさえすれば失禁が解決するという単純なものではなく、使いながらの試行錯誤や気持ちの面のケアは続きます。

Sさまの考え方や行動は、同じような状況にあるご家族の参考になるものだと感じました。一方で、在宅ケアは状況が千差万別で、全く違うケースでご利用を検討されてる方もいるかと思います。在宅ケアでもDFreeがお役に立てるように、今後も情報発信を続けてまいります。

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