DFreeユーザーにインタビューを行うこの企画。
初回はDFreeトライアルに参加して下さったAさんと奥様に今までの経緯やDFreeの感想を伺いました。
2回目の結婚記念日、白血病がわかる。
夫は10年前の34歳の時、突然白血病になりました。放射線治療と骨髄移植で白血病は良くなりましたが、脳への副作用で寝たきり状態になってしまいました。
言葉もなく、体も動かない、目は開くけれど、最初は薬の影響もあって寝ていることが多かったです。
3年くらいは私たちも彼に生きてもらうことに必死で、リハビリを始めたのが約7年前。
それから、少しずつ、本当に少しずつ回復して、両手が動かせるようになり、表情や発語も出てきました。

何かやらないと、今以上にはならない。
同居している夫の両親も応援してくれるので、良さそうなこと、できることは何でもしています。
小さなことだと、電話の受け答えが脳にいいと聞いて、毎日母が仕事終わりに電話をくれます。最初はただ聞いているだけだったけど、最近は「お疲れ様。待っているよ」と言ったりして、大きく変化しました。
脳にいいと聞いて、馬に乗せたり、ボートに乗せてみたりもしました。
DFreeもニュースで見て、これだ!と思い、すぐに問い合わせをしました。
食事、排泄。「生きる基本」を自分で。
やっぱり食べることと、出すことは人間の基本だと思うので、自分でできるようにしてあげたい。という気持ちが強いです。
食事は自分でできるようになった、あとは排泄を。と思っていたところだったんです。
今まで、自立排泄に向けて頑張りたくても、どうやっていいかわからなかった。けれど、DFreeを使えば膀胱に溜まっている尿がわかる。
経験値で排尿間隔を把握していましたが、季節や水分摂取量で大きく変わるので、データで見えることはありがたいです。

目指せ、自立排泄。
寝たきりになった当初は、看護師さんに排泄ケアもしていただいていました。ただ、回復して意識が戻るにつれて、羞恥心が出てきたようです。と看護師さんに言われました。
それからは、私か父がケアをしていますが、それも嫌なのかも。と感じる時があって。
DFreeを使い始めてからは、アラームが来たら、排尿の準備をして、私も部屋を出て待つようにしています。
おしっこがでる。という感覚が今はなくても、タイミングを計って成功を繰り返せば、感覚が出てくるかもしれない。
排泄ケアをされるのは恥ずかしいと本人が思っているなら、その気持ちに応えてあげたいし、だからこそ回復のチャンスもあるのではないかと思っているんです。
DFreeを使って、初めて自分での排尿が成功した時、夫は「気持ち良かった」と言っていました。家族全員とても嬉しかったです。
排便に合図が出るようになった。
今DFreeを使い始めて2週間が経過し、ものすごく楽になったか。というと、そうゆう状況ではありません(笑)
1時間に1度、オムツに手を入れて排泄状況を確認していた作業はなくなったけど、自立排泄に向けて思考錯誤が続いている状態です。
DFreeの排尿アラートを見て、どれくらいのタイミングで準備すれば、自分で排尿できるのか。成功する時もあれば、失敗する時もあります。
関係しているかわかりませんが、この間、声と表情で便が出ることを合図してくれました。下の感覚が少しずつつながってきているのかも……期待しています。

もっと良くなる。そう信じている。
母とはいつも「薄皮を剥がすようだね」と言っていますが、本当に少しずつ、できることが増えているように思います。
自立排泄もトライを始めたからと言って、すぐできるとは思っていません。数か月後、1年後かもしれないけれど、目標に向けてやっていきたいです。
排尿が自分できるようになったら、もっと外出したいですね。
車イスで入れるトイレはまだまだ限られているので、すごく気を使うのですが、自分で出せれば、「しばらくトイレないから、ちゃんと出しといて!」って言えますもんね(笑)
【編集後記】
「食べること、排泄すること、自分の意思を伝えること。これをできるようになってほしい。」と自立排泄に向けて、ご家族一丸となって前向きに取り組まれている姿が印象的でした。
今はまだ試行錯誤中とのことですが、成功率が上がり、ご自分でトイレに行ける日を早く実現できるよう、私共もサポートできればと思います。
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