インタビュー

選ばれる施設に向けて、介護医療院初のDFree導入!【野村病院さまの事例】

介護医療院として初めてDFreeを導入いただいた介護医療院 尽誠会の理事長である野村祐介さま。「地域から選ばれる病院・施設」そして「医療・介護従事者から選ばれる病院・施設」づくりに日々取り組まれている野村さまに、DFreeの活用背景や効果、今後の展望についてお話を伺いました。


活用背景について

DFree導入をいただいた野村病院理事長の野村様

ー DFreeをご活用いただいた背景として、貴院での業務改善ニーズ・課題はどのようなものがあったのでしょうか?また、自立支援や排泄ケアに関する取り組みについても教えていただけると幸いです。

社会的な背景から課題をお伝えすると、まず富山県における医療・介護業界への危機意識があります。富山県にかかわらず各地で直面していることかと思いますが、医療・介護従事者の人口が減少傾向にある中で、超高齢社会により需要は増加傾向にあります。需要と供給のアンバランスさが年々明確になっているのです。

また、介護業界は残念ながら「3K(きつい、汚い、危険)」のイメージを持たれてしまっていることが大きな課題となっています。介護従事者にとって、より働きやすい職場であることが非常に重要だと感じています。

そのような背景から、当院では以前より働きやすい職場になるよう業務改善に取り組んできました。中でもICTデバイス導入による業務改善は必須と考えており、排泄に関しては大きな課題と認識しておりました。

ただ、尿意の訴えがない方へ時間を決めてトイレ誘導をしても、排尿されないことや間に合わないことが多々あり、職員から課題の声が聞かれていました。結果的に、入所者のおむつ着用と決められた時間における交換対応が多くなり自立支援に沿わないケアになってしまう課題も感じていました。

自立支援は、人間らしく生きることにおいて非常に重要なことだと考えています。その中でも、排泄ケアこそ最も取り組むべき、かつ最初に取り組むべきことだと思います。

人は、自立排泄ができないと「負」の部分を強く感じてしまうものです。そのため、自立排泄をできるようにすることが、人間らしい生活を支え、自信と更なる自立につながる「正」の循環を作るために必要なことだと考えています。「たかがトイレ、されどトイレ」ですね。

当院では、すでに見守り機器を導入しています。そこに排泄ケアを掛け合わせることで、排尿自立と転倒予防の両立ができ、複数の目的を達成できると感じています。

DFreeにより起きる・起きないといった活動予測や、排泄行動に関する予測を行い、見守り機器により実際に起きたかどうか結果を検知する、というシームレスな形で組み合わせて運用することにより、見守り単体よりも大きな業務改善効果を生むことが可能と考えています。


トライアルの効果について

ー DFreeをトライアルしてみようと思った経緯はどのようなものだったのでしょうか?また、実際に使用した際の懸念や効果についても教えていただけると幸いです。

以前よりDFreeについて知っていましたが、残尿測定器と同じものだと認識していました。そのため、当院には必要のないものだと思っていたのですが、それだけではないと知り興味を持ったことがトライアルをした経緯となります。

自立支援や排泄ケアにおける課題に対して、排尿のタイミングがわからない入所者にDFreeを活用してみたいと思いました。

当院の職員は、使用前に否定的な意見を持たない傾向があるため、初めから懸念点は特にありませんでした。強いて言えば、新しい機器を入れる際に職員が必要としているか否かが重要であるため、その点は気になっていた部分です。

ただ、トライアル開始後も負担の声やトラブルが起きることはありませんでした。普段は、何か課題があればトライアルを中止して導入に進むことはないのですが、今回は職員からも否定的な意見はみられませんでした。

実際の効果として、入所者のトイレ排尿成功率が約96%に向上しました。それにより、リハビリに取り組む姿勢がみられたことや、職員と他入所者との会話が増えたことなど、排泄以外にも他方面への意欲向上につながりました。

職員の業務効率化においては、トイレ排尿成功率向上に伴い、空振り回数や尿漏れ回数の減少につながり効果を実感しました。また、付加価値として、職員のやりがい向上につながり、非常に嬉しく思っております。

ー 導入効果の高さから非常に高評価なレポートが現場の職員さまより提出いただきましたので、紹介させていただきます。

現場職員の方からのレポート引用

入所者のQOL・意欲が向上した

- 対象入所者さまが自身でトイレでの排泄の意識を持たれ、喜びを感じているようだった。笑顔も見られた。
- 自立支援につながり、入所者さまのQOLが向上して排尿の空振りがなくなった。
- 尿意をあまり感じなかった入所者さまにも適応できた。
- 紙おむつ、紙パンツを汚さないのは、ご本人にとって気持ちのいいことだと感じた。
- DFreeを使用し、トイレ以外にもリハビリへ行く意欲の向上やスタッフや他の入所者さまとの会話が増え、他方面への意欲につながった。
- コミュニケーションがあまりとれない入所者さまだったが、DFreeを使用してトイレで排尿されることで、ADL・QOLが向上し、導入前より自分でできることが増えた。

職員の業務効率化につながった

- DFreeのおかげで何度もトイレに行かなくてもよくなり、負担の軽減ができた。
- スマホで、膀胱内の尿の量が目に見えて把握できることで、業務の効率化に繋がった。7分目でそろそろラインに設定し、適切なタイミングで誘導できた。

職員のやりがい・意識向上につながった

- 本人が喜ばれていることで、スタッフのやりがいにもつながった。
- 一番に入所者さまの「やってよかった」の一言を聞くことが出来て、介護してよかったと思えた。トイレのタイミングが一番介護をやっていて難しいと感じ、それを実現できた。
- 排尿は人が生きていくうえで、とても大切な動作なのだと改めてわかった。
- DFreeでもうできないと思われていたことが排泄予測で成功し、高齢者の自信を取り戻す手伝いができた。
- 新たな介護の可能性を見出せ一人ひとりに寄り添ったICT介護ができるようになり、職員をはじめ、入所者さま、ご家族が安心して入所できることにつながった。

ケアの質の向上につながった

- 退所近い入所者さまの排尿間隔が事前にわかり、在宅復帰に向けても活躍できる。
- ケアプランにもICTを活用することで、より具体的で精度の高いプランを提供できる。

トライアルを振り返り、当初期待していた以上の効果を実感できました。DFreeを活用することで、入所者がより安心できる施設となり、職員がより働きがいを感じられる職場になると感じました。

よりよい施設になることで採用にもつながりますし、施設にとってよいサイクルを作れると考え、介護医療院初のDFree導入を決めました。

DFreeはサポート体制もあり、安心してトライアルができたことも一つの要因です。困ったときに連絡できるコミュニケーションが十分にあること、トライアル結果として入所者の排尿・活動傾向のレポートを活用できることがよかったです。

レポートは、入所者の状態を把握することに役立ちますし、ケアの見直しや改善に向けた方法が明記されているため、容易に取り組むことができました。


今後の展望について

ー DFreeの導入を経て現状いかがでしょうか?また、今後のDFree利用における展望がありましたら教えていただけると幸いです。

現在も、トライアル時と同様に、自立支援やよりよい排泄ケアに向けてDFreeを活用しています。トライアル中から徹底してサポートしてくれたおかげで、職員も使用の流れや活用方法に慣れており、安心して取り組めています。

今後の展望としては、DFreeと見守り機器を一緒に使用して転倒予防に活かし、よりよい介護につなげていきたいと考えています。

また、介護業界における「3K(きつい、汚い、危険)」のイメージを脱却し、介護従事者にとってより働きやすい職場にすることに引き続き取り組んでいきたいです。


インタビュー概要

医療法人社団尽誠会 野村病院
理事長 野村祐介さま

    - 施設:介護医療院 尽誠会(全室個室100床)
    - 住所:〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂466-1
    - TEL:076-478-0418
    - HP:https://nomura-hospital.jp/

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